高血圧治療薬としてよく耳にする「オルメテック」と「オルメサルタン」。この二つの言葉、一体何が違うのでしょうか？ 実は、 オルメテックとオルメサルタンの違い は、医薬品の「商品名」と「成分名」という、ごくシンプルな関係にあるのです。この違いを理解することで、お薬についてより深く知ることができるでしょう。
オルメテックとオルメサルタン：基本のキ
まず、オルメテックとオルメサルタンの違いを理解するためには、それぞれの言葉が何を指しているのかを知ることが大切です。簡単に言うと、オルメテックは「商品名」、オルメサルタンは「成分名」なのです。
- オルメテック ：これは、製薬会社が「オルメテック」という名前で販売している、特定のお薬の商品名です。
- オルメサルタン ：これは、そのお薬の有効成分の名前です。つまり、オルメテックというお薬の中に含まれている、血圧を下げる働きをする主成分のことなのです。
ですから、 オルメテックとオルメサルタンの違い は、「ブランド名」と「中身の成分」のような関係だと考えると分かりやすいでしょう。他の商品でも、「商品名」と「成分名」は区別されます。
例えば、
- Aという商品名のお菓子
- その中に入っているチョコレート
なぜ「商品名」と「成分名」があるのか？
医薬品の世界では、新しい薬が開発されると、その薬の「成分名」がつけられます。この成分名が、世界共通の正式名称となります。一方、製薬会社は、その成分を使って製品を作る際に、覚えやすく、親しみやすい「商品名」をつけるのです。この商品名が、私たちが薬局で「オルメテックください」と尋ねる際に使われる名前になります。
オルメテックとオルメサルタンの違い を理解することは、お薬選びや、他の医薬品との比較をする上で非常に重要です。例えば、ジェネリック医薬品（後発医薬品）を選ぶ際には、成分名（オルメサルタン）で探すことになります。これは、後発医薬品は、先発医薬品（オルメテック）と同じ有効成分（オルメサルタン）を含んでいるためです。
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| オルメテック | 商品名 |
| オルメサルタン | 成分名 |
このように、オルメテックという名前で処方されるお薬は、その中にオルメサルタンという成分が含まれている、という関係性なのです。
オルメサルタン（成分）の働き
さて、オルメテックという商品名でおなじみの、その中身であるオルメサルタンは、具体的にどのような働きで血圧を下げるのでしょうか？ オルメサルタンは、「アンジオテンシンII受容体拮抗薬（ARB）」と呼ばれる種類の薬に分類されます。これは、体内で血圧を上げる働きをする「アンジオテンシンII」という物質の働きをブロックするお薬です。
アンジオテンシンIIは、血管をぎゅっと縮ませて血圧を上げたり、体内に塩分と水分を溜め込んだりする作用があります。オルメサルタンは、このアンジオテンシンIIが血管などにくっつくのを邪魔することで、血管を広げ、血圧を正常に保つのを助けるのです。
- 血管を広げて血圧を下げる
- 体内の余分な塩分と水分の排泄を促す
このように、オルメサルタンは、血圧を上げる体の仕組みに直接作用することで、効果を発揮します。
オルメテック（商品）の剤形と種類
オルメテックという商品名で販売されているお薬には、いくつか種類があります。これは、オルメサルタン単独で処方される場合と、他の降圧成分と配合されている場合があるからです。
例えば、オルメテックには「オルメテック錠」という、オルメサルタン単独の錠剤があります。また、高血圧の状態によっては、より効果的に血圧を下げるために、他の降圧成分と組み合わせた配合錠が処方されることもあります。
- オルメテック錠（オルメサルタン単独）
- オルメテック配合錠（オルメサルタン＋他の降圧成分）
オルメテックとオルメサルタンの違い を理解していると、医師から「オルメテック〇〇mg」と言われた場合、それはオルメサルタンという成分が〇〇mg含まれている、と理解することができます。また、「オルメテック配合錠」と言われた場合は、オルメサルタンに加えて、別の成分も一緒に含まれているのだな、と分かります。
| 商品名 | 主な成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| オルメテック錠 | オルメサルタン | オルメサルタン単独で効果を発揮 |
| オルメテック配合錠 | オルメサルタン＋他の成分 | より強力な降圧効果や、異なる作用機序の組み合わせ |
ジェネリック医薬品との関係
先ほども少し触れましたが、 オルメテックとオルメサルタンの違い は、ジェネリック医薬品を理解する上で非常に重要です。オルメテックは先発医薬品（最初に開発されたお薬）ですので、特許期間が終了すると、他の製薬会社が同じ成分（オルメサルタン）を使ったジェネリック医薬品を製造・販売できるようになります。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分（この場合はオルメサルタン）を、同じ量だけ含んでおり、同じような効果が期待できます。ただし、添加物などが異なる場合があるため、見た目や味などが先発医薬品と違うことがあります。
ジェネリック医薬品の名前は、多くの場合、成分名（オルメサルタン）に、製造した製薬会社の名前などを付けたものになります。例えば、「〇〇（製薬会社名） オルメサルタン錠」といった名前になります。
- 先発医薬品：オルメテック（商品名）＝オルメサルタン（成分名）
- ジェネリック医薬品：オルメサルタン（成分名）＋〇〇（製薬会社名）
したがって、「オルメテック」と「オルメサルタン」という言葉を聞いたときに、それが「商品名」なのか「成分名」なのかを区別できれば、ジェネリック医薬品についてもスムーズに理解できるはずです。
処方せんの表記について
病院で医師の診察を受け、お薬が処方される際、処方せんには「一般名」または「販売名」が記載されます。オルメテックとオルメサルタンの違いを理解していると、この表記がどのように書かれているかによって、お薬の種類を推測することができます。
一般的には、医師は患者さんの状態に合わせて、最も適したお薬を選択します。処方せんには、薬の名前だけでなく、量や用法・用量などが細かく記載されています。お薬を受け取る際に、薬剤師さんから説明を受けると思いますが、そこで「オルメテック」という商品名で処方されたのか、「オルメサルタン」という成分名で処方されたのかを確認してみるのも良いでしょう。
もし、処方せんに「オルメサルタン」と書かれていれば、それはオルメサルタンという成分を意味しており、先発品のオルメテックである可能性も、ジェネリック医薬品である可能性もあります。一方、「オルメテック」と書かれていれば、それはオルメテックという商品名のお薬が処方された、ということになります。
- 処方せんの表記例
- 一般名（成分名）で記載：「オルメサルタン 〇〇mg」
- 販売名（商品名）で記載：「オルメテック錠 〇〇mg」
オルメテックとオルメサルタンの違い を意識することで、処方せんの内容をより正確に理解できるようになります。
お薬の選択肢を広げるために
今回説明してきた オルメテックとオルメサルタンの違い を理解することは、ご自身の健康管理において、お薬の選択肢を広げることにもつながります。例えば、経済的な負担を軽減したい場合に、ジェネリック医薬品を検討する際に、成分名である「オルメサルタン」で探すことで、様々な製薬会社から出ているジェネリック医薬品を見つけることができます。
ただし、ジェネリック医薬品への切り替えは、必ず医師や薬剤師に相談してから行ってください。ご自身の体質や病状に合わない場合や、効果に違いが出る可能性もゼロではありません。専門家のアドバイスを受けながら、ご自身に最適な治療法を見つけることが大切です。
| メリット | 注意点 |
|---|---|
| ジェネリック医薬品で費用を抑えられる可能性がある | 必ず医師・薬剤師に相談し、承認を得る必要がある |
| 有効成分（オルメサルタン）は同じ | 添加物などが異なる場合があり、体質に合うか確認が必要 |
オルメテックとオルメサルタンの違い を正しく理解することは、より賢く、そして安心して医薬品と付き合っていくための第一歩と言えるでしょう。
まとめ
「オルメテック」は商品名、「オルメサルタン」は有効成分の名前。このシンプルな違いを理解することで、お薬に関する情報がよりクリアに見えてきます。ご自身の健康のために、この知識を役立ててください。