スズメバチとオオスズメバチの違い、知っておきたい基本知識

スズメバチとオオスズメバチの違いについて、皆さんはどれくらいご存知でしょうか? 一口に「スズメバチ」と言っても、実は様々な種類がおり、その中でも特に危険とされるのがオオスズメバチです。 この記事では、スズメバチとオオスズメバチの違いを、見た目、生態、そして危険性という観点から分かりやすく解説していきます。

見た目の違い:大きさからわかる「顔」

スズメバチとオオスズメバチの最も分かりやすい違いは、その「大きさ」です。オオスズメバチは、その名の通り、スズメバチ科の中でも最大級の大きさを誇ります。女王蜂に至っては、驚くほどの巨体になります。この大きな体格が、彼らの存在感を一層際立たせています。 この体の大きさの違いは、彼らとの遭遇時に、相手がどのような種類のスズメバチかを判断する上で、非常に重要な手がかりとなります。

  • スズメバチ(一部の小型種) :一般的に、体長は2~3cm程度。
  • オオスズメバチ :女王蜂は4~5cm、働き蜂でも3~4cmと、一回り以上大きい。

また、体の色合いも微妙に異なります。オオスズメバチは、赤みがかった褐色が特徴的で、顔の周りも黄色が濃い傾向があります。一方、他のスズメバチは、黒と黄色のコントラストがよりはっきりしている種類が多いです。これらの色や模様の違いも、見分けるポイントになります。

特徴 スズメバチ(一部) オオスズメバチ
体長(女王蜂) 約2~3cm 約4~5cm
体色(全体的) 黒と黄色のコントラストが鮮やか 赤みがかった褐色、顔周りの黄色が濃い

生態の違い:巣作りの場所と習性

スズメバチとオオスズメバチでは、巣を作る場所にも違いが見られます。多くのスズメバチは、木の洞や土の中、軒下などに巣を作りますが、オオスズメバチは、より隠れた場所、例えば地中や古い木の根元などを好む傾向があります。このため、オオスズメバチの巣は、知らず知らずのうちに近くに作られていて、遭遇するリスクが高まることもあります。

  1. 巣作りの場所
    • スズメバチ(種類による):木の洞、土の中、軒下、屋根裏など
    • オオスズメバチ:地中、古い木の根元、空き家など、より隠れた場所
  2. 活動時間 :どちらも日中に活動しますが、オオスズメバチは夜間も多少活動することがあります。

また、彼らの食性にも違いがあります。スズメバチは、昆虫を捕食する肉食性ですが、オオスズメバチはその強力な顎と毒針で、他のスズメバチさえも捕食することがあります。この「共食い」とも言える習性は、オオスズメバチの強力さの所以でもあります。

攻撃性の違い:刺激への反応

スズメバチとオオスズメバチの最も注目される違いは、その「攻撃性」です。一般的に、スズメバチは、巣に近づいたり、威嚇されたりしない限り、自ら襲ってくることは少ないです。しかし、オオスズメバチは、他のスズメバチに比べて攻撃性が高く、わずかな刺激でも激しく攻撃してくることがあります。特に、巣を守ろうとする意思表示が非常に強く、縄張り意識が強いと言えます。

刺激への反応 スズメバチ(一般) オオスズメバチ
巣への接近 一定の距離までなら許容することも 非常に敏感で、すぐに攻撃態勢に入る
威嚇 振動や音に反応 わずかな振動や音にも過剰に反応する傾向

この攻撃性の高さは、彼らの持つ強力な毒とも相まって、非常に危険な存在として認識される理由です。彼らとの遭遇時には、静かにその場を離れることが何よりも重要です。

毒性の違い:刺された時の症状

スズメバチとオオスズメバチの毒性は、両者とも強力ですが、オオスズメバチの毒はより強いとされています。刺された際の痛みや腫れはもちろんのこと、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こすリスクも、オオスズメバチの方が高いと考えられています。

  • スズメバチ(一般) :刺された箇所に激しい痛み、腫れ、赤みが生じる。
  • オオスズメバチ :上記に加え、全身症状(吐き気、めまい、呼吸困難など)を引き起こす可能性が高まる。

この毒性の違いは、刺された後の対応を大きく左右します。もしオオスズメバチに刺された場合は、速やかに医療機関を受診することが、命を守るために不可欠です。

鳴き声の違い:警戒音の有無

スズメバチとオオスズメバチの鳴き声には、注意すべき違いがあります。スズメバチは、敵に襲われたり、危険を感じたりすると、「ブーン」という羽音だけでなく、「ジー」というような、より甲高い警戒音を発することがあります。これは、仲間への警告や、敵を威嚇するための音だと考えられています。

  1. 警戒音
    • スズメバチ(一部):「ジー」といった甲高い音を発することがある。
    • オオスズメバチ:この警戒音は、より一層強く、耳障りに感じられることがある。
  2. 羽音 :どちらも共通して、飛行時には大きな羽音を立てる。

この警戒音を聞いた場合は、すぐにその場から離れるか、静かに身を隠すようにしましょう。彼らが危険を察知しているサインですので、不用意に近づくのは絶対に避けるべきです。

スズメバチとオオスズメバチの違いは、大きさ、見た目、生態、攻撃性、毒性、そして鳴き声など、多岐にわたります。これらの違いを理解することで、彼らとの遭遇時のリスクを減らし、安全に注意を払うことができます。もしスズメバチを見かけた際は、刺激しないように静かに距離を取り、必要であれば専門業者に相談するなど、適切な対応を心がけましょう。

Also Reads: