神経内科 脳神経内科 違い、その真実と理解のポイント

「神経内科」と「脳神経内科」、この二つの言葉の違いについて、実は混乱している方も少なくないのではないでしょうか。結論から申し上げますと、 神経内科 脳神経内科 違い は、現在ではほとんどありません。両者はほぼ同じ診療科を指しており、どちらの名称を使用するかは、医療機関の方針や歴史的背景によって異なると理解しておけば問題ありません。

名称の変遷と現在の状況

かつては「神経内科」という名称が一般的でしたが、近年、脳の病気に特化した専門性をより明確に打ち出すために、「脳神経内科」と改称する医療機関が増えてきました。しかし、これは診療内容が大きく変わったわけではなく、あくまで名称の変更なのです。 この名称の変更は、患者さんが受診する際に、どの診療科に行けば良いのか迷わないように、より分かりやすくすることを目指しています。

  • 「神経内科」:古くから使われている名称
  • 「脳神経内科」:近年増えている、より専門性を強調した名称

いずれの名称であっても、扱う疾患の範囲は大きく変わりません。脳、脊髄、末梢神経、筋肉といった神経系全般の不調や病気を診察・治療する専門家集団であることに変わりはないのです。

どのような病気を診るの?

では、具体的にどのような病気を「神経内科」あるいは「脳神経内科」で診てもらえるのでしょうか。この分野は非常に幅広く、多岐にわたる疾患を扱います。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

  1. 脳卒中(脳梗塞、脳出血など): 突然の麻痺、ろれつが回らない、などの症状
  2. 認知症(アルツハイマー病、血管性認知症など): 物忘れ、判断力の低下
  3. パーキンソン病: 手足の震え、体の動きが遅くなる、筋肉がこわばる
  4. 頭痛: 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など、原因不明のつらい頭痛
  5. めまい: 回転性めまい、浮動性めまい
  6. てんかん: 意識を失う、けいれん発作
  7. 末梢神経障害: 手足のしびれ、痛み、脱力感
  8. 筋疾患: 筋力低下、筋肉の痛み

これらの疾患は、単に症状を抑えるだけでなく、原因の特定や進行の抑制、QOL(生活の質)の維持・向上を目指した治療が行われます。 専門的な知識と経験を持つ医師による診断が、早期回復への鍵となります。

症状の例 疑われる疾患
急な手足の麻痺、ろれつが回らない 脳卒中
ひどい物忘れ、判断力の低下 認知症
手足の震え、体の動きにくさ パーキンソン病

受診のタイミングと注意点

「なんか調子がおかしいな」「いつもの頭痛と違うな」と感じたとき、迷わず相談してほしいのが神経内科・脳神経内科です。特に、次のような症状が現れた場合は、速やかな受診が重要となります。

  • 突然の激しい頭痛
  • 手足のしびれや麻痺、力が入らない
  • ろれつが回らない、言葉が出てこない
  • めまい、ふらつきが続く
  • 物忘れがひどくなった、日常生活に支障が出始めた

これらの症状は、命に関わる病気のサインである可能性も否定できません。 早めに専門医の診察を受けることで、重症化を防ぎ、適切な治療を開始することができます。

検査方法について

神経内科・脳神経内科では、正確な診断のために様々な検査を行います。症状や疑われる疾患によって、適切な検査が選択されます。

  1. 画像検査:
    • CT検査:脳出血や脳梗塞の初期発見
    • MRI検査:脳腫瘍、脳梗塞、脳萎縮などの詳細な評価
  2. 血液検査: 炎症の有無、感染症、代謝異常などの確認
  3. 神経学的検査: 医師が直接、運動機能、感覚、反射などを評価
  4. 脳波検査: てんかんなどの診断
  5. 神経伝導速度検査・筋電図: 末梢神経や筋肉の機能評価

これらの検査結果を総合的に判断し、病気の診断へと繋げていきます。 患者さんの負担を最小限に抑えながら、最も確実な情報が得られるように配慮されます。

他の診療科との連携

神経内科・脳神経内科は、他の診療科とも密接に連携しています。例えば、脳卒中のリハビリテーションでは、リハビリテーション科の医師や理学療法士、作業療法士などと協力して治療を進めます。

関連診療科 連携内容
リハビリテーション科 運動機能回復、日常生活動作の支援
精神科 認知症に伴う精神症状のケア
循環器内科 高血圧や心臓病など、脳卒中のリスク因子の管理

チーム医療によって、患者さん一人ひとりに合わせた包括的なケアを提供することが目指されています。

専門医による高度な治療

神経内科・脳神経内科の医師は、神経系の疾患に関する深い専門知識と経験を持っています。最新の医学的知見に基づき、患者さんの状態に合わせた最適な治療法を選択します。

  • 薬物療法:症状の緩和や進行抑制
  • リハビリテーション:機能回復の促進
  • 必要に応じた手術やカテーテル治療:脳外科などとの連携

継続的なフォローアップと、患者さんとの丁寧なコミュニケーションが、治療効果を高める上で非常に重要です。

まとめ:迷ったら「神経内科」または「脳神経内科」へ

「神経内科」と「脳神経内科」、名称の違いに戸惑う必要はありません。どちらの名称であっても、神経系に関するお悩みがあれば、まずはこれらの診療科を受診してみましょう。 早期の受診と適切な診断・治療が、健康な生活を取り戻すための第一歩となります。

神経系は、私たちの体の司令塔であり、その機能が低下すると様々な不調が現れます。もし、ご自身の体調に不安を感じたら、専門家である神経内科・脳神経内科の医師に相談することをお勧めします。

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