SSRIとSNRI、どちらも気分や心の不調に用いられるお薬ですが、その効果や働きにはいくつかの違いがあります。このssri snri 違いを理解することで、ご自身の状況に合ったお薬選びの参考になるでしょう。ここでは、ssri snri 違いについて、専門的な知識がなくても理解できるように、わかりやすく解説していきます。
SSRIとSNRIの基本的な違い
SSRI（選択的セロトニン再取り込み阻害薬）とSNRI（セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬）は、どちらも脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、うつ病や不安障害などの症状の改善を目指します。しかし、その作用する神経伝達物質の種類に違いがあるのです。ssri snri 違いの根本は、この点にあります。
SSRIは、主に「セロトニン」という神経伝達物質の働きを助けます。セロトニンは、気分を安定させたり、幸福感をもたらしたりする役割があります。SSRIは、脳内で放出されたセロトニンが再び神経細胞に取り込まれるのを「選択的」に阻害することで、シナプス間（神経細胞の隙間）のセロトニン濃度を高め、その働きを増強させます。 このセロトニンへの選択的な作用こそが、SSRIの最大の特徴と言えます。
一方、SNRIは、セロトニンに加えて「ノルアドレナリン」という神経伝達物質の再取り込みも阻害します。ノルアドレナリンは、意欲や集中力、覚醒などに関わる物質です。そのため、SNRIはSSRIよりも、より広範囲の神経伝達物質に作用し、うつ病における意欲の低下や気力の減退といった症状にも効果が期待できる場合があります。
- SSRI：セロトニンのみに作用
- SNRI：セロトニンとノルアドレナリンの両方に作用
作用メカニズムの深掘り：SSRI SNRI 違い
ssri snri 違いをより深く理解するために、それぞれの作用メカニズムをもう少し詳しく見ていきましょう。
SSRIは、文字通り「選択的」にセロトニントランスポーターというタンパク質に作用します。このトランスポーターは、シナプス間からセロトニンを回収する役割を担っています。SSRIはこの回収作業をブロックすることで、セロトニンがより長くシナプス間に留まるようにし、セロトニン受容体への結合機会を増やします。これにより、気分が改善されると考えられています。
SNRIも同様に、セロトニントランスポーターとノルアドレナリントランスポーターの両方に作用します。つまり、SNRIはSSRIよりも多くの種類のトランスポーターを標的としているのです。
| 薬の種類 | 作用する神経伝達物質 | 主なターゲット |
|---|---|---|
| SSRI | セロトニン | セロトニントランスポーター |
| SNRI | セロトニン、ノルアドレナリン | セロトニントランスポーター、ノルアドレナリントランスポーター |
この作用の違いが、それぞれの薬に期待される効果や、現れやすい副作用にも影響を与えます。 ご自身の症状や体質に合わせて、医師が最適な薬を選択することが重要です。
適応となる疾患の違い
ssri snri 違いは、どのような疾患に用いられるかという点でも見られます。
SSRIは、うつ病、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害など、様々な精神疾患の治療に幅広く用いられています。特に、不安症状や気分の落ち込みが主な症状である場合に効果を発揮しやすいとされています。
SNRIは、SSRIと同様にうつ病や不安障害に用いられるほか、慢性的な痛み（線維筋痛症など）や、注意欠陥・多動性障害（ADHD）の症状緩和にも使われることがあります。これは、ノルアドレナリンが痛みの伝達や覚醒・集中力にも関与しているためです。
- うつ病
- パニック障害
- 強迫性障害
- 社会不安障害
- 慢性疼痛
もちろん、これらの疾患であっても、SSRIが適している場合もSNRIが適している場合もあります。 医師が患者さんの状態を総合的に判断して、最も効果が期待できる薬を処方します。
副作用の違い：SSRI SNRI 違いを理解する
ssri snri 違いを考える上で、副作用の違いも重要なポイントです。
SSRIで比較的よく見られる副作用としては、吐き気、下痢、不眠、性機能障害（性欲減退、勃起不全など）が挙げられます。これらの副作用は、治療開始初期に現れることが多く、時間が経つにつれて軽減していくこともあります。
SNRIでは、SSRIで見られる副作用に加えて、ノルアドレナリンへの作用に起因する副作用が出現する可能性があります。具体的には、口渇、便秘、めまい、動悸、血圧の上昇などです。また、SSRIと同様に性機能障害も起こり得ます。
- SSRI：吐き気、下痢、不眠、性機能障害など
- SNRI：SSRIの副作用に加え、口渇、便秘、動悸、血圧上昇など
副作用の出方には個人差が大きいため、何か気になる症状が出た場合は、すぐに医師や薬剤師に相談することが大切です。
効果の発現時期の違い
ssri snri 違いとして、効果が現れるまでの期間も考慮されます。
一般的に、SSRIもSNRIも、効果が実感できるようになるまでには、数週間から1ヶ月程度の時間がかかると言われています。これは、薬が脳内で作用を現すまでに、神経伝達物質のシステムが徐々に変化していく必要があるためです。
両者とも即効性のある薬ではなく、焦らずに継続して服用することが大切です。 「すぐに効かないから」と自己判断で服用を中止するのは絶対に避けましょう。
服用開始直後に一時的に症状が悪化するように感じる場合もありますが、これは「離脱症状」とは異なり、治療が効き始める前の一過性の反応であることが多いです。しかし、不安な場合は必ず医師に相談してください。
中止時の注意点：SSRI SNRI 違い
ssri snri 違いは、薬を中止する際にも注意が必要です。
SSRIもSNRIも、急に服用を中止すると、離脱症状（断薬症状）と呼ばれる不快な症状が現れることがあります。これには、めまい、吐き気、頭痛、イライラ感、倦怠感などが含まれます。これらの症状は、体が薬に慣れていた状態から急に変化することによって起こると考えられています。
そのため、薬を中止する際は、必ず医師の指示に従い、徐々に減量していくことが不可欠です。
- 医師の指示を仰ぐ
- 急な中止は避ける
- 徐々に減量する
自己判断での断薬は、症状の再燃を招く可能性もあるため、絶対にやめましょう。
まとめ
SSRIとSNRIは、どちらも心の健康をサポートする有用な薬ですが、作用する神経伝達物質や適応疾患、副作用などに違いがあります。ssri snri 違いを理解することは、ご自身の状態に最も合った治療法を見つけるための第一歩となります。ご自身の症状や不安な点については、遠慮なく医師に相談し、納得のいく治療を受けてください。