「着丈」と「身丈」、この二つの言葉、服を選ぶ際に耳にしたり、サイズ表記で見かけたりすることが多いのではないでしょうか？ 実は、この「着丈」と「身丈」を理解することは、自分にぴったりの一着を見つける上で非常に重要なんです。これらは、洋服の長さを表す指標であり、それぞれ測る場所や意味合いが異なります。これらの違いを知ることで、オンラインショッピングでの失敗を防いだり、お店で試着する際に迷ったりすることが格段に減ります。
着丈と身丈、どっちがどっち？ 基本のキ
まず、「着丈」と「身丈」の基本的な違いを理解しましょう。簡単に言うと、 服の丈感を正しく把握することは、コーディネートを格上げする上で欠かせません。
「着丈」は、一般的に服の背中側、首の付け根（衿ぐりの一番上）から裾までの長さを指します。これは、Tシャツやシャツ、アウターなど、多くのトップスで使われる基準です。着丈が短いと、すっきりとした印象になり、重ね着もしやすくなります。逆に長すぎると、だらしなく見えたり、重心が下がって見えたりすることもあります。
一方、「身丈」は、もう少し広い意味で使われることがありますが、特にワンピースやコートなどの丈を測る際に用いられることが多いです。これも基本的には、首の付け根から裾までの長さを指す場合が多いですが、ブランドやアイテムによっては、肩のトップから裾までの長さを指すこともあります。どちらの定義で使われているかは、製品のサイズガイドなどを確認するのが確実です。
- 着丈：背中の衿ぐり上部から裾まで
- 身丈：首の付け根（または肩のトップ）から裾まで
これらの違いを把握しておくだけで、服選びの精度がぐっと上がります。
着丈で変わる！ スタイルアップの秘密
着丈は、その服の印象を大きく左右する要素です。どんな着こなしをしたいかによって、最適な着丈は変わってきます。
例えば、カジュアルなTシャツやスウェットの場合、着丈が短めだと、ハイウエストのボトムスと合わせやすく、スタイルアップ効果が期待できます。足長効果はもちろん、バランスの取れたコーディネートになります。逆に、ゆったりとしたシルエットのトップスで着丈が長めだと、リラックス感のある着こなしになりますが、バランスが悪いと着膨れてしまうことも。
この表を見て、着丈による印象の変化をイメージしてみましょう。
| 着丈 | 与える印象 | おすすめの着こなし |
|---|---|---|
| 短め | ヘルシー、アクティブ、スタイルアップ | ハイウエストボトムス、ミニスカート |
| 標準 | ベーシック、万能 | どんなボトムスにも合わせやすい |
| 長め | リラックス、大人っぽい、体型カバー | スキニーパンツ、レギンス |
お店で服を選ぶ際には、鏡の前でご自身の体型と相談しながら、理想の着丈を見つけることが大切です。
身丈が重要なアイテム：ワンピースの選び方
ワンピースを選ぶ際に、身丈はまさに生命線。自分の身長や好みのスタイルに合っているかどうかが、着こなしの成否を分けます。
ワンピースの身丈が長すぎると、どうしても重たい印象になりがちで、小柄な方だと床についてしまうなんてことも。逆に短すぎると、露出が多くなりすぎてしまったり、カジュアルになりすぎてしまったりして、TPOに合わない場合もあります。
身丈を選ぶ際のポイントをいくつか挙げます。
- 身長とのバランス ：自分の身長に対して、どのくらいの丈感がベストかイメージしましょう。膝丈、ミディ丈、マキシ丈など、様々な丈感があります。
- 着用シーン ：フォーマルな場なのか、普段使いなのかによっても、適切な身丈は変わってきます。
- 足元との相性 ：合わせる靴（ヒール、フラットシューズ、ブーツなど）によっても、ワンピースの丈感の見え方が変わります。
特に、オンラインでワンピースを購入する際には、モデルさんの身長と着用サイズ、そして身丈の数値を必ずチェックするようにしましょう。それだけで、失敗をぐっと減らすことができます。
着丈と身丈、測ってみよう！
自分で服の着丈や身丈を測る方法を知っていると、より正確に自分のサイズを把握できます。
着丈を測る際は、まず服を平らな場所に広げます。そして、背中の中心、首の付け根（衿ぐりの一番上）から、裾までをまっすぐにメジャーで測ります。これは、服の正面ではなく、あくまで背面で測るのが基本です。
身丈も同様に、平らな場所に広げた服の、首の付け根（または肩のトップ）から裾までを測ります。ブランドによっては、身丈の測り方が異なる場合があるので、迷ったときはそのブランドのサイズガイドを確認するのが一番です。
自宅にあるお気に入りの服の着丈や身丈を測ってみると、自分の好みがより明確になるはずです。
着丈と身丈、生地の特性でどう変わる？
服の丈感は、生地の特性によっても印象が変わることがあります。これを理解しておくと、より洗練された着こなしができるようになります。
例えば、ハリのある生地で作られた服は、着丈や身丈が表記通りに仕上がります。一方、柔らかくドレープ感のある生地の場合、着ているうちに自然と落ち感が出て、見た目の丈感が少し変わってくることがあります。
-
ハリのある生地
：
- シルエットが崩れにくい
- シャープな印象になりやすい
-
柔らかい生地
：
- 落ち感が出て、こなれた印象に
- 体型を拾いにくい場合も
生地の特性も考慮して、着丈や身丈を選ぶことで、より理想のシルエットに近づけることができます。
着丈と身丈、コーディネートのポイント
着丈と身丈は、コーディネートのバランスを決定づける重要な要素です。これらを意識することで、あなたのスタイルは一段と魅力的になります。
例えば、トップスにボリュームがある場合は、ボトムスをすっきりとさせるとバランスが取れます。この時、トップスの着丈が長すぎると、全体的に重たい印象になってしまうので注意が必要です。
また、ボトムスとのバランスだけでなく、アウターとの組み合わせも重要です。ショート丈のトップスにロングコートを合わせると、メリハリのある着こなしになります。逆に、ロング丈のトップスには、ショート丈のアウターを合わせることで、全体のバランスが整います。
コーディネートの基本として、以下の点を意識してみましょう。
- トップスとボトムスのバランス ：着丈を基準に、ボトムスとの対比を考える。
- アウターとのレイヤード ：着丈や身丈を意識して、アウターとの丈の長さを変える。
- 全体のシルエット ：縦長効果や、くびれを意識したシルエット作り。
着丈と身丈、ブランドごとの違いに注意
ここで一つ、大切な注意点があります。それは、「着丈」や「身丈」の表記は、ブランドやメーカーによって基準が異なる場合があるということです。
同じ「Mサイズ」でも、ブランドAの着丈と、ブランドBの着丈では、数センチの差があることが珍しくありません。これは、ターゲットとする顧客層や、ブランドのイメージするシルエットによって、サイズ設定が異なってくるためです。
そのため、新しいブランドの服を購入する際は、必ずそのブランドのサイズガイドをチェックし、記載されている「着丈」や「身丈」の数値を参考にすることをおすすめします。
特にオンラインショッピングでは、この点に注意しないと、思っていたよりも丈が長かったり短かったりして、がっかりしてしまうこともあります。迷ったときは、普段自分が着ている服のサイズを測り、それを基準に比較してみると良いでしょう。
着丈と身丈、体型別のアドバイス
私たち一人ひとりの体型は異なります。だからこそ、着丈や身丈の選び方も、体型に合わせて工夫することが大切です。
例えば、上半身にボリュームがある方は、着丈が長すぎるとさらにボリュームが出て見えがちです。この場合、少し短めの着丈のトップスを選んだり、縦長のラインを強調するような着こなしを意識すると、すっきりと見せることができます。
一方、下半身にボリュームがある方は、ワンピースの身丈を注意深く選ぶ必要があります。膝が隠れるくらいのミディ丈は、脚のラインをカバーしつつ、上品な印象を与えてくれます。マキシ丈を選ぶ場合は、足元にボリュームのある靴を合わせると、全体のバランスが取りやすくなります。
以下に、体型別のおおまかなアドバイスをまとめました。
| 体型 | 着丈・身丈の選び方アドバイス | おすすめのアイテム例 |
|---|---|---|
| 上半身にボリュームがある | 着丈は短め～標準、縦長ラインを意識 | ショート丈カーディガン、Vネックトップス |
| 下半身にボリュームがある | ワンピースはミディ丈～ロング丈、Aラインシルエット | フレアスカート、Aラインワンピース |
| 小柄 | 着丈・身丈は短め、重心を高く見せる | クロップド丈トップス、ミニスカート |
| 長身 | 着丈・身丈は長めでもOK、バランスを重視 | ロング丈シャツ、マキシ丈ワンピース |
あくまで一般的なアドバイスですが、これらのポイントを参考に、ご自身の体型に合った着丈・身丈を見つけてみてください。
「着丈」と「身丈」という、服の長さを表す二つの指標。これらを理解し、自分の体型や目指すスタイルに合わせて選ぶことで、服選びはもっと楽しく、そして確実なものになります。今回ご紹介したポイントを参考に、あなたもぴったりの一着を見つけて、ファッションをもっと楽しみましょう！