腎盂炎と腎盂腎炎の違いを分かりやすく解説!

「腎盂炎」と「腎盂腎炎」、この二つの言葉、実はほとんど同じものを指していることをご存知でしょうか? 腎盂炎と腎盂腎炎の違い を理解することで、腎臓の病気についてより深く知ることができます。ここでは、この二つの言葉の関連性と、それぞれの状態について詳しく見ていきましょう。

「腎盂炎」と「腎盂腎炎」:言葉の定義と実態

まず、結論から申し上げると、「腎盂炎」と「腎盂腎炎」は、基本的には同じ病気を指すことが多いです。一般的に、「腎盂炎」という言葉は、腎臓の「腎盂(じんう)」という部分に炎症が起きている状態を指します。一方、「腎盂腎炎」は、腎盂だけでなく、その周辺の腎臓組織(腎実質:じんじっしつ)にも炎症が広がっている状態を指します。

しかし、実際の臨床現場では、腎盂に炎症が起きている場合、多くは腎臓の組織にも及んでいることがほとんどです。そのため、「腎盂炎」と診断された場合でも、実際には「腎盂腎炎」の状態であることが一般的です。このため、厳密な使い分けはせず、両方の言葉が同じ意味で使われることも少なくありません。

  • 腎盂炎: 腎盂の炎症
  • 腎盂腎炎: 腎盂と腎実質の炎症
  • 実状: 腎盂炎は腎盂腎炎の一歩手前、あるいは初期段階と捉えられることもあるが、多くは両方の炎症が同時に起こっている。

したがって、 腎盂炎と腎盂腎炎の違い を厳密に区別しようとするよりも、腎臓に細菌感染による炎症が起きている状態である、という広い意味で理解しておくと良いでしょう。どちらの言葉が使われても、症状や治療法はほぼ同じと考えて差し支えありません。

腎盂腎炎の主な原因

腎盂腎炎は、主に細菌感染によって引き起こされます。膀胱炎などの尿路感染症が原因となることが多く、細菌が尿道から膀胱へ、そしてさらに腎臓へと逆行して感染を広げてしまうのです。

以下に、腎盂腎炎の主な原因と、その感染経路をまとめました。

原因 説明
細菌感染 大腸菌などの細菌が一般的。
感染経路
  1. 尿道 → 膀胱(膀胱炎)
  2. 膀胱 → 尿管 → 腎盂・腎実質(腎盂腎炎)

また、以下のような要因がある場合、腎盂腎炎にかかりやすくなると言われています。

  • 女性(尿道が短いため、細菌が侵入しやすい)
  • 妊娠中(ホルモンの影響や子宮による圧迫)
  • 尿路結石(尿の流れを妨げる)
  • 糖尿病(免疫力が低下しやすい)
  • 前立腺肥大症(男性の場合、尿の排出を妨げる)

これらの要因を持つ方は、特に注意が必要です。

腎盂腎炎の初期症状

腎盂腎炎の初期症状は、風邪のような症状と似ていることもありますが、特徴的なものもあります。早期発見・早期治療のためにも、これらの症状を見逃さないことが大切です。

代表的な初期症状は以下の通りです。

  1. 発熱: 38度以上の高熱が出ることが多い。
  2. 悪寒・戦慄: 寒気を感じ、体が震える。
  3. 腰痛: 左右どちらか、あるいは両方の背中(腰のあたり)に痛みを感じる。
  4. 排尿時の痛みや頻尿: 膀胱炎の症状が先行することもある。

これらの症状が複数現れた場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されます。

腎盂腎炎の進行と重症化

腎盂腎炎は、適切な治療が行われないと、腎臓の機能が低下したり、重症化したりする可能性があります。特に、以下のような合併症を引き起こすリスクがあります。

重症化した場合の合併症としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 腎不全: 腎臓の機能が著しく低下し、老廃物を体外に排出できなくなる状態。
  • 敗血症: 細菌が血液中に入り込み、全身に広がることで、命に関わる状態。
  • 腎膿瘍: 腎臓に膿がたまる状態。

このような重篤な状態にならないためにも、 腎盂炎と腎盂腎炎の違い を意識しすぎず、腎臓に感染の疑いがある場合は、速やかに医師の診断を受けることが重要です。

腎盂腎炎の診断と検査

腎盂腎炎の診断は、問診、身体所見、そしていくつかの検査を組み合わせて行われます。医師は、患者さんの自覚症状や、お腹の触診などから感染の可能性を疑います。

主な検査項目は以下の通りです。

  1. 尿検査: 尿中に細菌や白血球が増加していないかを確認します。
  2. 血液検査: 体内に炎症があることを示す値(CRPなど)や、腎臓の機能(クレアチニンなど)を調べます。
  3. 画像検査: 超音波検査(エコー)やCT検査で、腎臓の腫れや炎症の広がり、尿路結石の有無などを確認します。

これらの検査結果を総合的に判断し、診断が確定します。

腎盂腎炎の治療法

腎盂腎炎の治療は、原因となっている細菌を排除するために、主に抗菌薬(抗生物質)を用いた薬物療法が中心となります。炎症の程度や細菌の種類によって、使用する抗菌薬の種類や投与期間が異なります。

治療の基本は以下の通りです。

  • 抗菌薬: 細菌感染を抑えるために処方されます。
  • 安静: 十分な休息をとることが大切です。
  • 水分補給: 尿量を増やし、細菌を体外に排出しやすくします。

重症の場合や、抗菌薬の効果が不十分な場合は、入院して点滴で抗菌薬を投与することもあります。また、尿路結石など、基礎疾患がある場合は、そちらの治療も並行して行われます。

腎盂腎炎の予防策

腎盂腎炎の予防には、日頃からの生活習慣が大切です。特に、尿路感染症の予防が、腎盂腎炎の予防にもつながります。

以下の点を心がけることで、予防効果が期待できます。

  1. 十分な水分補給: 1日に1.5~2リットルを目安に、こまめに水分を摂りましょう。
  2. 排尿を我慢しない: 尿意を感じたら、すぐにトイレに行きましょう。
  3. 陰部を清潔に保つ: 排便後は、前から後ろへ拭きましょう。
  4. 体を冷やさない: 体が冷えると免疫力が低下しやすくなります。

これらの基本的な対策を実践することで、腎盂腎炎にかかるリスクを減らすことができます。

「腎盂炎」と「腎盂腎炎」という言葉の違いは、実質的にはほとんどなく、どちらも腎臓の感染症を指していると考えて良いでしょう。大切なのは、これらの病気にかからないように日頃から予防に努め、もし疑わしい症状が現れたら、迷わず医療機関を受診することです。早期発見・早期治療が、腎臓を守るために最も重要となります。

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